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治療のながれ

手術前日

  • 手術の前日は、可能であれば入浴またはシャワー浴をして全身を清潔にします。
  • 手術の前日は、決められた時間以降、食べたり飲んだりができなくなります。手術にそなえて胃の中を空にしておきます。まれに、手術のための薬の副作用で吐き気をもよおすことがあり、吐いた物が気管につまる危険性があるからです。

手術当日

  • 手術の準備がととのうと、手術室へ移動します。
  • 麻酔をかけます。麻酔をかけると、患者さんは手術中眠るか(全身麻酔[?])、下半身の感覚がなくなります(脊椎麻酔あるいは硬膜外(こうまくがい)麻酔[?])。
  • 人工股関節全置換術がおこなわれます。

手術後

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  • 手術直後から、医師や看護師が患者さんの状態を観察します。
  • 尿道に管が入っています。
  • からだの向きを変えるときや、横向きに寝るときに、両足の間に枕(外転枕[?]を入れる場合があります。これは、関節が脱臼しないように、足を正しい位置に保っておくためのものです。つけはずしは医療者の指示にしたがいましょう。
  • 深部静脈血栓症の予防のために、弾性ストッキング[?]を着用します。さらに、下肢を圧迫する特殊な器械を装着することもあります。
  • 手術した部位の痛みに対して、注射や点滴で鎮痛剤(痛み止め)を投与する場合があります。鎮痛剤を使用しても、多少の痛みを感じることもありますが、これは異常ではありません。しかし、薬で痛みがやわらがない場合には、必ず医師・看護師にそのことを伝えましょう。

※わからないことや不自由なことがある場合は、遠慮せずに医療者に伝えましょう。

この情報サイトの内容は、整形外科専門医の監修を受けておりますが、患者さんの状態は個人により異なります。
詳しくは、医療機関で受診して、主治医にご相談下さい。

外転枕(がいてんまくら)
人工関節が脱臼しないように、足の位置を正しく保つための枕です。手術したほうの足が開いている状態(外転(がいてん)している状態)にするために使用します。医療機関によって形状はことなりますが、一般的には三角形の形をしたスポンジ枕やクッションなどを使用します。
弾性(だんせい)ストッキング
非常に弾力性の高いストッキング(靴下)です。下肢の血管を圧迫して、足先から心臓へ戻る血液の流れを助ける効果があります。
全身麻酔(ぜんしんますい)
口と鼻をおおうようなマスクをあてて麻酔薬を吸い込むか、麻酔薬を注射するなどして麻酔をかけます。麻酔薬で中枢神経(ちゅうすうしんけい)(脳・脊髄)のはたらきを抑え、無意識の状態にします。患者さんは、手術中は眠った状態で、まったく痛みを感じることはありません。
脊椎(せきつい)麻酔・硬膜外(こうまくがい)麻酔
背骨の間から麻酔薬を入れて、手術する部位の痛みを取る方法です。麻酔が効いてくると、下半身の感覚がなくなります。脊椎(せきつい)麻酔の場合は、背骨の間から脊髄のまわりに直接麻酔薬を注射します。 硬膜外(こうまくがい)麻酔では、背骨の間から細い管を入れて、そこから麻酔薬を注入します。