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人工股関節置換術 ~無理をせずマイペースに~

Sさん(女性 手術時年齢 55才) 病名:変形性股関節症

昭和58年に両側股関節置換手術のため4ヶ月入院。退院後は、病院で教えてもらったリハビリ(ベッドの上で足を上げる、開脚する、腹這いになって足を後ろに跳ね上げるなど)を、家庭で続けておりました。

右 昭和58年7月8日人工に(現在21年目)
左 昭和58年8月26日人工に(19年目に再手術)

左足のほうがやや沈み込み、斜めに切った自骨が押されて横に膨らんだ状態となったため、平成13年10月、2度目の手術を受けました。この時は3ヶ月で退院、その後は1年間、自転車こぎ、1.5㎏の荷重で膝の屈伸、脚のマッサージなどのリハビリのため通院しました。
初めて股関節が悪いと知った昭和50年(48才)に車の運転免許をとりました。通勤で足にかかる負担を軽くするためです。そして、手術後は勤めも辞めました。お医者様は「もったいない。せっかく痛みがなくなったのに」と言われましたが、うれしい時も悲しい時も、思い切り飛びついてくる子供達の行動を止めることはできません(子供相手の仕事でした)。私はそのとき57才でした。  仕事を辞めた後も、家庭菜園でとれた野菜をご近所に持っていく、2人きりの旅行に行く、などで毎日を楽しく過ごしました。そのころから万歩計をつけています。疲れたらすぐ休めるように、自分なりのスケジュールで、外国旅行も何回か連れて行ってもらいました。
また、友達が集まって、お年寄りのお世話をする会を作りましたが、老人介護は腰に負担がかかるので、私はもっぱら会計と運転役でした。
現在は、めまい、体のふらつき等が度々起こりますので、内科へ通院しております。外出する時は必ず杖をつき、1歩1歩踏みしめるようにして歩いています。
最近手がかかるようになった主人とともに、娘の家の近くに越してきました。1日に2~3回顔を出してくれる娘に助けられながら、2人きりの生活を少しでも長く続けたいと思っております。
日常生活の工夫なんて、そんな立派なものは何もありません。ただ、無理をせず、横着をせず、でしょうか。カルシウムの摂取にも心がけ、そして今日も万歩計と相談しながらマイペースの生活を送っております。

(出典:NPO法人のぞみ会 発行誌のぞみNo.66 「人工関節置換術15年以上の方の体験記」)