第5回 『人工股関節置換術を受けた患者さんの声』

日ごろからよく見て頂いているユーザーの皆さんから『50代の患者さんの経験談も聞きたい』という御意見を多数頂きましたので、インタビューしてきました。

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術後の井上さん

今回、お話を伺ったのは大阪のシンボル『通天閣』に程近い料亭『錦』の女将、井上美也子さん(53歳)です。

創業以来103年という老舗の玄関を入ると、「いらっしゃいませ」としゃきしゃきお迎えくださった着物姿の井上さん。料亭内の急な階段も、お客様を案内してさっと昇られます。

井上さんが手術を受けられたのは2年前。右股関節がずーんと重苦しい痛みで、階段を上がるのも両手で手すりにしがみつくように昇っていました。外出時には、御主人の左腕を抱えるようにして寄りかかって歩いていたそうです。

「女将として、来て頂いたお客様にお迎え、お食事中、お帰り前の三回はお部屋に伺って御挨拶申し上げたいのに、(痛みで)二回になり、一回になって行きました。」

四代目の御長男も「手術の直前は、料亭の女将なのに着物が着られなくなっていました」と、おっしゃいます。

一番困っていたことは、「家族は当然のことながら、お店に来て頂いているお客様に十分なおもてなしができないだけでなく、御心配をかけていることが悩みでした。」

手術を受けるに当たっては必ずよくなるのだろうか、という不安も持たれ、お知り合いの人工股関節置換術を受けられた方のお話を聞かれたりして、手術を受ける決心をされました。その当時大阪医療センターにいらっしゃった、現在関西ろうさい病院 整形外科部長の大園健二先生の診察を受け、手術をお願いしました。

「着物が着られること、正座してお客様に御挨拶できること、階段をさっさと昇れることの三つができるようになりたい。」と、手術前に先生に御希望を述べられました。

大園先生は、患者様のニーズを伺った上で骨の形や骨質、関節症の進行度合いなどを考慮して人工股関節の機種を決めておられます。井上さんの場合は、日本人の骨の形と和式の生活様式に合わせて開発された、股関節の可動域が大きい人工股関節を使用しました。

「私の場合、入院期間は50日間でした。手術後も、今の医療は痛みを取り除く医療ということで、腰に痛み止めの薬を入れる管を付けていて、私は全く痛みを感じませんでした。リハビリも、よくなるのだろうかと不安はありましたが辛くはありませんでした。むしろ楽しかったです」と入院生活についても、明るくお答え頂きました。

「退院するときに、主人が『もう、左腕は必要ないんだなぁ』としみじみ言ったので、あぁ、自分だけでしゃかしゃか歩けるんだなぁと思いました。」と微笑みます。 手術を受けて一番良かったことは何ですか、と伺うと「着物も着れて、階段も昇れて、お客様に正座して御挨拶ができるようになったので、商売に身が入るようになったことが一番嬉しいんです。ここを盛り立てていけることが嬉しくてしょうがないんです。」と、おっしゃいます。

「手術を受けたあと、街で脚をかばって歩いてらっしゃる方をお見かけすると、ついお声をかけてしまうんです。同じ病気の方だったら『私もそうだったんですよ。手術を受けて色々できるようになったんですよ。』ってお話ししたい衝動にかられます。」

「大園先生は、手術後にリハビリをしている時などにも『もう、そんなに歩けるようになったね』とお声をかけて下さったりしてとても励みになりました。先生に出会えたことも、今の幸せの大きな要因ですね。」

お話しをしてくださる井上さんは、生き生きと輝いています。御主人の作る季節感たっぷりの日本料理、息子さんの若さあふれる企画、そして女将の井上さんの暖かいおもてなしが103年の老舗料亭を支えています。「私の体験談でよかったら、お店へ来ていただいてお食事を召し上がって頂きながらお話ししますよ。大阪にお立ち寄りの時は、是非ゆっくりとした時間の流れる空間で、楽しいひとときをお過ごしくださいませ。」とお店のPRも忘れない井上さんでした。

注:ここに書かれている内容は、井上さん個人の御体験と御感想です。患者様の骨や筋肉の状態などによって術前・術後の状況は異なりますので御了承ください。

 

料亭 錦
http://www.nisikis.com/
要予約:御予約の際は『人工関節広場』を見たとおっしゃってください。)

営業時間
AM11:30~PM2:30
PM5:00~PM10:30
定休日 水曜日

〒556-0002 大阪市浪速区恵美須東1-2-6
TEL:06-6641-3022 FAX:06-6632-2638