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私の膝にも人工関節が入っています

私は21歳の時にバイク事故で左膝に大怪我をし、それがもとで二次性の変形性関節症になりました。事故後から膝の痛みは続いていましたが、6年前頃から症状がひどくなり、5年前(44歳の時)に人工膝関節全置換術を受けました。
痛みがひどくなってから朝起きがけは本当に辛く、5メートル程しか歩けませんでした。少し時間がたてば500メートル程度の歩行は可能になりますが、痛みのせいで「動きたくない」、「どこにも行きたくない」と自分で生活を制限するようになり、日常生活が段々暗くなっていきました。私は脊椎外科を専門とする整形外科医ですが、仕事以外の生活が意味のないものになってしまったのです。

そんな生活を変えるため人工関節置換術に踏み切りました。当時私は44歳でしたから、インサート(ポリエチレン)交換のための再手術を覚悟の上で手術しました。当時私は別の病院に勤務していましたが、そこで現在当院の整形外科医長である池田先生に執刀して貰いました。

手術後2-3日はとんでもなく傷が痛みました。誰にも触らせたくない程の地獄の痛みです。ただ、その後病院で手術を受けられた患者さんに聞いてみると、どなたも私より痛みは少ないようでしたので、私の場合は特別だったのかもしれません。以前に大怪我をし、今回が2度目の大手術であったことがこれ程までの痛みの原因とも考えられます。

術後の痛みも2-3日すると嘘のように改善し、その後はひたすら自主トレーニングに励みました。特別な筋力トレーニングではなく、膝の屈伸運動を行いました。術後2週間で退院、3週間目には外来を再開し、間もなく手術にも復帰することができました。

人工関節置換術の良い所は、“痛みがなくなること”と“人生が変わること”です。これは患者さん皆さんそのようにおっしゃいます。 手術を受ける時期については、症状がひどくなる前に、より若い時期に行った方がよいと思います。70歳よりは65歳といったように、ある程度体力や筋力があれば手術後の回復も早く、また骨が丈夫なうちに適切に手術を行えばゆるみも起こりにくいのです。

私の場合は事故の影響もあり左膝は深くは曲がりませんが、まったく不自由はありません。毎日充実した生活を送っています。